無年金問題

国民年金制度とはなんでしょうか?それは、国民の社会的な共同連帯の理念によって、全ての人がもつ生存権などを保障しようという社会保障制度です。その理念は憲法25条においても明確です。また、重要なことですが、日本においての社会保障制度は、国民年金もふくめて、自ら必要な経費を拠出する社会保険制度を中心に展開してきました。

 その国民年金の一部である障害基礎年金は、様々な理由から就労が困難だったり、社会生活を送る上でハンディをもつ障害者の人間らしい生活を保障するためのものであり、障害者にとっては非常に重要なものになっています。

 しかし、現実には障害基礎年金を受け取れない、無年金状態に置かれている障害者が多数います。どういった人たちが障害基礎年金をもらえないのでしょうか。それは、

20歳を過ぎて障害者になった時点で、学生だった者で、任意加入制度だったことから、国民年金に加入していなかった者(いわゆる学生無年金障害者)
サラリーマンの妻で、障害者になった時点で、任意加入制度だったことにより、国民年金に加入していなかった者
在日外国人で国籍条項により国民年金に加入できなかった障害者
経済的理由により国民年金保険料を滞納していた障害者
その他障害状態が軽いと評価されたために無年金になっている場合 

といった人たちです。こうした無年金状態の障害者は、厚生労働省によれば8万人にのぼるとされているが、実際は10万人以上いると思われます。なぜ、こんなに多くの人が無年金状態に置かれているのでしょうか?

 障害を持つこととなった当時、学生で20歳を越えていた者、あるいはサラリーマンの妻などの中途障害者の場合、91年までは国民年金は強制加入ではなく任意加入制度だったため、未加入であった人が多かったのです。

 また、在日外国人障害者の場合、1982年の難民条約発効により国民年金制度の国籍条項が撤廃されましたが、そのとき20歳を越えていた者には加入が認められない、といったように様々な事情があります。

 どういった理由にせよ、無年金障害者が、現時点で非常に困難な状況にあるのには違いなく、全ての人が当然持つとされている「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」が実質的に保障されていない状況にあります。一日も早くこうした状況を打破すべきでしょう。