虐待・暴力(ドメスティックバイオレンス)

障害者への虐待というと、たいへん複雑な要素があることは承知しています。今後この項目を整理していきたいと思いますが、まず、そのごく一部の問題として、障害者と(狭義-配偶者・恋人・パートナーから-の)ドメスティックバイオレンスについて。

「ドメスティック・バイオレンス」、「DV」というと、自分には関係ない、と思うでしょうか?
 内閣府男女共同参画局の調査 によると、現在もしくは過去において配偶者がいる(いた)人たちの約1割の人が配偶者からの暴力を受けたことがある、ということです。ですから、確かに多くの人たちには直接には「関係がない」とであるかもしれません。
 ですが、この1割の暴力の中から、殺人まで発展してしまう危険性が潜んでいるのがDVの怖いところであり、それを事前に防ぐために関係者が尽力した結果が「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下、DV防止法)」の制定だといえます。

● ドメスティックバイオレンス、DVってどんなこと?
では、どのような暴力がドメスティックバイオレンスというのでしょうか。一般的には、恋人や配偶者(パートナー)から以下のような振る舞いをされることといわれています。

身体的暴力

なぐる。ける。凶器を突きつける。髪を引っぱる。首をしめる。腕をねじる。引きずりまわす。物をなげつける。

精神的暴力

大声でどなる。「能無し」「誰のおかげで生活できるんだ」などと言う。友人とのつきあいを制限したり、電話や手紙を細かくチェックする。何を言っても無視をして口を利かない。人前でバカにしたり、命令するような口調でものを言ったりする。大切にしているものを壊したり、捨てたりする。生活費を渡さない。外で働くなと言ったり、仕事を辞めさせたりする。子どもに危害を加えると言っておどす。殴るふりや物を投げるふりをしておどかす。

性的暴力

見たくないのに、ポルノビデオやポルノ雑誌を見せる。嫌がっているのに性行為を強要する。中絶を強要する。避妊に協力しない。

 もし、このような暴力を振るわれ、なんとかしたい、と思ったときには、「配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所、女性センター)」や「警察(交番)」に相談をすることにより、保護命令(6ヶ月の間、加害者は被害者に近づいてはいけない、2週間自宅から出ていかなければいけないという命令で、その間に被害者は家を出る準備をすることができる)制度や、一時保護施設(家を出たあと、一時的にすごし、自立への準備をすることができる)を利用することができます。

● 障害をもつ人もDV被害を受けていればDV防止法の保護対象です。
 障害を持つ人も、恋人や結婚して配偶者がいる人が少なくありません。1割の人たちがDVの被害(加害)を経験しているというのですから、障害を持つ人の中にも被害者がいてもおかしくないわけです。ですが、障害を持つ被害者が保護を求めて、婦人相談所等へ連絡すると、「障害者なのだから障害福祉課へ」といわれたり、「一時保護所は障害者の扱いになれていないから」と障害者施設へ送られそうになったり、加害者の侵入を防ぐためにわざと物理的なバリアを設けてある民間シェルター(つまり、車いすユーザーなどは利用しにくい)へ押し付けられそうになるというのです。

 DV被害者の保護は、加害者の(反省した風で)連れ戻しにきたり(家に帰るとまた暴力が始まる)、その保護の仕方は単に、家から被害者を別の場所へ移す、ということでは守りきれないことがあります。
 よって、DV被害者の保護は、「地域に開放された」障害者の入所施設ではなく、安全性の配慮がされた施設で対応されなければ意味がないともいえます。
 こうしたことを含め、2004年5月、DV防止法が改正(11月、施行)される前の2003年10月、DPI日本会議は障害を持つDV被害者への対応について参議院共生社会に関する調査会をはじめ、議員の方々へ訴え、改正案の中に外国籍の被害者と共に、障害をもつ被害者への配慮が盛り込まれました。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直し作業に関する要望書
 

ですが、障害を持つ人のDV被害実態はいまだ、知らない人が多いのが現実です。
 なかなか人に言えないことだったり、人に会う機会すら奪われていたら、助けの信号を出すこともできませんので、表に出てこなくても当然なのかもしれません。また、障害を持っていると、仕事や収入のこと、介助のことなど、家を逃げ出した後の生活が心配だったりして、ますます我慢してしまう人もいるかもしれません。

私たちは以下のようなことも含まれると考えます。

 車いすに乗っているときに、倒す。年金を取り上げる。親族に会わせない、親族の集まりに連れて行かない。介助者を入れない(本人も介助を拒否する)。車いす等、必要な補助具を隠す、壊す。寝ているときにベットから車いすを離され、むりやり性行為をされる。(障害者である本人の)子供は欲しくないが、セックスは強制する。遺伝するから、子供を育てることなんてできないだろうから子供はつくらないと言う。

 
 障害を持つ人も、深刻なDV被害になる前に、きちんと守られるよう、今後、関係機関とどのような協力体制で保護していくことができるかなどについて取り組んでい くことは大きな課題で、取り組んでいきたいと考えています。

 もし、障害を持っている、もしくは障害がある子どもを持っている方で、

  • 過去に配偶者もくは恋人から上に挙げたような身体的な暴力や精神的な暴力、性的な暴力などを受けたことがある

  • 現在、実際に遭っている

  • まわりでDV被害がおきているのではないかとお感じになっているという方

がいらしゃれば、こちらまで情報を提供していただきたいと思います。
また、公的機関などに相談したが、拒否された、といった経験がある方についても情報の提供を集めています。

現在

関東近辺で東京自治研究センターのDV研究会によるDV被害者のインタビュー調査があります(DPI日本会議も協力しています)。

聞き手も障害をもつ女性です。現在協力してくださる方を募集しています。ヒアリングに協力してもかまわないという方は以下までご連絡いただければと思います。

(社)東京自治研究センター 
電話・ファックス 0120-340-959 (フリーダイヤル)
Eメール: wda-t@ezweb.ne.jp (5,000字までのメール、添付ファイル可)
受付時間:平日9~17時。時間外は留守番電話で対応」。

 

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最終更新日2005.3.2