2016年5月12日 (木)

衆院厚生労働委員会参考人質疑でのALS当事者出席拒否に対する声明

衆院厚生労働委員会で5月10日に行われた障害者総合支援法改正案を巡る参考人質疑で、当事者として意見を求められていた難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)男性当事者の出席が拒否された問題について、DPI日本会議は声明を出しました。
障害を理由とした差別に対し、DPI日本会議は断固抗議してまいります!
以下、抗議声明全文

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2016年5月12日
衆院厚生労働委員会参考人質疑での
ALS当事者出席拒否に対する声明
特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長 平野みどり

私たちDPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国91の団体で構成し、障害者が障害のない人と平等に地域で共に暮らし、学び、働くことができるインクルーシブ社会の実現に向けて活動しています。
特に、どんな障害があっても地域で暮らすことを目指して取り組みを進めてきています。
5月10日に起きたALS当事者の参考人拒否の件について、以下の認識に基づき抗議するとともに、二度とこうしたことが起こらないよう、今後の国会審議において障害者に関する問題は「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を基本とすることを求めるものです。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(障害者総合支援法3年後見直し法案)」が今国会の審議にかけられている。
5月10日の衆議院・厚生労働委員会で参考人質疑が行われたが、その際、ALS(筋萎縮性側索硬化症)当事者の出席が拒否されたと報じられた。
見直し法案の中には、重度障害者の入院中の介護利用も含まれている。これは私たちをはじめ多くの障害当事者が長年求めてきたものであり、必要としている障害者が支援を得られるように丁寧な審議が期待されていた。
だからこそ、そうした支援を最も必要としている当事者の声に耳を傾け、審議の中に活かしていくことが国会には求められていたはずである。
出席予定だったALSの当事者は、まばたきの合図によるコミュニケーションで資料を作成し準備していたという。長時間の時間をかけて事前に準備し、当日に臨まれていたわけだ。
出席が拒否されなければ、ヘルパーの読み取りを介したコミュニケーションで当日の質疑も対応されたであろう。そのこと自体が、入院中に慣れたヘルパーによる支援がいかに必要かを国会の場において示すものになったはずである。そうした貴重な機会をみすみす逸したことを、委員会に所属する議員全員が自覚すべきである。 
そして、伝えられるところでは、「コミュニケーションに時間がかかること」が拒否の理由とされていることに、私たちはこの問題の重大性を感じずにはおれない。
今年4月から「障害を理由にした差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が施行されている。
差別解消法では、合理的配慮の不提供も差別として禁止している。その基本方針(2015年2月閣議決定)では、合理的配慮の一例として、「・筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮・障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更」などがあげられている。
「コミュニケーションに時間がかること」を理由にした拒否は、ヘルパーによる読み取りを介したコミュニケーションという「意思疎通の配慮」、それに伴う時間調整といった「ルール・慣行の柔軟な変更」を、いずれも認めなかったということを意味している。
今回の出席拒否は、基本方針にも例示されている合理的配慮を行わなかった結果であり、障害者差別による出席拒否であると言わなければならない。
障害者差別解消法は障害者権利条約の批准に不可欠な法律として全会一致で制定され、さらには国会職員向けの対応要領を自ら作成されたことに関して、私たちは高く評価してきたところである。
ところが、今回の出席拒否は、こうした取り組みを自ら否定するものである。
2005年の障害者自立支援法の審議の際には、ALSの当事者をはじめ、知的障害当事者、精神障害当事者など、多様な障害のある者が参考人質疑に招かれた。
差別解消法の施行を受けてさらに当事者の参画を推進すべきだったのに、前例よりも後退した対応がなされたという点においても問題である。
障害者権利条約の基本精神である「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」をふまえた審議を、私たちは強く求めるものである。
以上

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2012年4月23日 (月)

障害者総合支援法(案)4月18日(水)衆議院厚生労働委員会可決!

4月18日衆議院厚生労働委員会が開催され、障害者総合支援法(案)の審議及び採決がなされました。委員会は午前9時より開始し、3時間審議の後、午前12時過ぎには採決し賛成多数で可決しました。自民、公明、民主の与野党協議でまとまった修正案と付帯決議(10項目)も可決しています。

今後のスケジュールとしては、近日中に衆議院の本会議で採決され、来週には参議院の厚生労働委員会で審議・採決、参議院本会議で採決され、成立するものと思われます。
審議の中でポイントとなる主な答弁は以下の通りです。

◇質問者
民主党:水野智彦議員、初鹿明博議員
自民党:松本純議員
公明党:古屋範子議員
共産党:高橋千鶴子議員
社民党:阿部知子議員
みんなの党:柿崎未途議員

◇政府側答弁(主な人)
小宮山厚生労働大臣、西村副大臣、津田政務官、外山健康局長、岡田障害保健福祉部長など。

●なぜ廃止ではなく改正なのか?
・平成22年12月に成立した「障害者自立支援法一部改正法」で自立支援法の一番の問題だった応益負担を応能負担に改めた。 さらに、昨年成立した障害者基本法に基づき理念規定を入れた。
・廃止すると、利用者、事業者が最初から手続きをしなければならなくなる。自治体が混乱する。

●骨格提言について実施するのか?
・障害者のみなさんの想いが込められた貴重なものであり、受け止めねばと思っている。段階的、計画的に実施する。
・すぐにやれるものは法案に盛り込み、検討が必要なものは3年間の検討をする(→附則第2条の検討規定)。

●工程表は創らないのか?
・工程表について、わかりやすくお示ししたい。

●基盤整備は?
・基盤整備は予算措置などを含めて努力したい。

●障害者の意見を聞く場
・3年の検討が必要なものは、障害当事者・家族・関係者の参画をはかり検討する。

●難病をどこまで含めるのか?(障害の範囲)
・難病対策委員会、疾病対策部会、ワーキンググループ等の検討会で議論して決める。来年の施行なので、できる限り早期に結論を出したい。
・130疾病+関節リュウマチを参考に検討。
・医学モデルへの批判をしっかり踏まえた上で政令の検討を行いたい。
・他の障害の人と同じ支給決定プロセスを踏んでもらう。認定調査にあたって106項目に難病の特性を踏まえる(入れる)。難病の特性を踏まえた特記事項、指針としてお示ししたい。
・難病等居宅支援事業の実態を考慮し、引き続き利用できるようにしていきたい。昨年度の利用者は全国で、ホームヘルプ315人、ショートステイ10人、日常生活用具729人。予算2億に対して、決算は6500万円だった。

●支給決定プロセス
・知的・精神の二次判定での変更率が高い。特性を踏まえられるように早急に検討する。家族や住環境なども一次判定の項目に盛り込むべきという指摘もある。骨格提言で示されたガイドラインや協議調整の仕組みをどのように考えるかについては、この3点を客観性、公平性を保ちつつ安定した仕組みへ。H24の予算に1億円計上しており、調査検討を行う。

●「可能な限り」はサービス給付できないときの逃げ道?
・逃げ道ではない。障害者基本法の共生社会という理念を具体化するために最大限努力するという趣旨である。

●重度訪問介護の対象拡大について
・現在は、知的・精神障害者は居宅介護と行動援護のみで、見守りを含めた長時間介護がなかった。行動援護の対象者を参考にしながら検討する。厚生労働省令で定める。

●自治体の財政調整の仕組み
・国庫負担金を超えるところは、交付金の基金事業で対応してきたが、平成24年度から補助金化した。3年かけて検討する。

<付帯決議>
「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案に対する付帯決議」

1、意思疎通支援を行う者の派遣及び育成については、利用者が支援を受けやすくする観点から、窓口は市町村を基本としつつ、市町村及び都道府県の必須事業については、支援が抜け落ちることなく、適切な役割分担がなされるようそれぞれの行う事業を具体的に定めること

2、意思疎通支援を行う者の派遣については、個人利用にとどまらず、複数市町村の居住者が集まる会議での利用など、障害者のニーズに適切に対応できるよう、派遣を行う市町村等への必要な支援をおこなうこと

3、障害福祉計画の策定に当たっては、中長期的なビジョンを持ちつつ、障害者の地域生活に対する総合的な支援が計画的に行われるよう配慮すること。

4、障害者の高齢化・重度化や「親亡き後」も見据えつつ、障害児・者の地域生活支援をさらに推進する観点から、ケアホームと統合した後のグループホーム、小規模入所施設等を含め、地域における居住の支援の在り方について、早急に検討を行うこと。

5、難病患者に対する医療、保健、研究、福祉、就労等の総合的な支援施策について、法整備も含め早急に検討し確立すること。

6、精神障害者の地域生活を支えるため、住まいの場の整備、医療、保健、福祉を包括したサービスの在り方、精神障害者やその家族が行う相談の在り方等の支援施策について、早急に検討を行うこと。

7、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の利用の促進の在り方の検討と併せて、成年被後見人の政治参加の在り方について、検討を行うこと。

8、障害者の就労の支援の在り方については、障害者の一般就労をさらに促進するため、就労移行だけでなく就労定着への支援を行えるようなサービスの在り方について検討するとともに、一般就労する障害者を受け入れる企業への雇用率達成に向けた厳正な指導を引き続き行うこと。

9、障害児・者に対する福祉サービスに係る地方税や都市計画制度の取り扱いについて、社会福祉事業の円滑で安定的な運営に資するべく所要の配慮が行われるよう、地方自治体に対し周知する等の措置を講ずること。

10、常時介護を要する障害者等に対する支援その他の障害福祉サービスの在り方等の検討に当たっては、国と地方公共団体との役割分担を考慮しつつ、重度訪問介護等、長時間サービスを必要とする者に対して適切な支給決定がなされるよう、市町村に対する支援等の在り方についても、十分に検討を行い、その結果に基づいて、所要の措置を講ずること。

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2012年3月26日 (月)

総合福祉法に対する意見書採択

昨年から各地域の障害者団体・関係団体の要請(請願・陳情)に基づき、各地の地方議会が、障害者総合福祉法の制定等を求める意見書を国に提出しています。2月、3月議会でも、各地で続々と意見書の採択がされています。

そして3月15日、大阪府・泉大津市でも総合福祉法制定の意見書が採択されました。今後の与野党協議や国会審議に対しても、地方からの意見は重要になってきます。ぜひ、各地での取り組みを引き続き進めて頂きますようお願いします。

▼和泉大津市議会意見書
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2012/20120316ikensho_izumiootu.pdf

▼障害者総合福祉法を求める地方議会意見書採択状況(JDFホームページ)
http://www.normanet.ne.jp/~jdf/sougou/index.html

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2012年3月 9日 (金)

【速報】3月8日 民主党・障がい者WT主催「障害者総合支援法」説明会

昨日、民主党・障害者WT(ワーキングチーム)主催による「障害者総合支援法」による説明会があり、DPI日本会議からも出席をしました。その概要をお知らせします。

以下のサイトに民主党・障害者WT岡本座長の説明資料が掲示されています。

▼障がい者WT「障害者総合支援法案」で当事者らと意見交換
<民主党HP>http://www.dpj.or.jp/article/100828/

その中で、大きな焦点になったのが、新しく設けられる基本理念の条文の中に入れられている「可能な限り」という文言でした。

昨日の民主党障害者WTでは、様々な立場からの意見が出されました。その中で、共通して「削除すべき」と意見が続出したのが、「基本理念」の「可能な限り」との規定をめぐってです。

*** 以下、総合福祉部会三役資料より抜粋 ***

1「基本理念」の「可能な限り」について

法案は、この「可能な限り」と「旨として」とが合わさって、必要な支援が限りなく遠のく印象を与える。骨格提言は、お金がない・資源がないとの理由で必要な支援が受けられない現状、しかも市町村格差が大きい現状を改め、必要な支援を権利として確保することを求めている。法案はそれを規定しないばかりか、現行法にもない「可能な限り」を入れ、現状でも過度な裁量権をさらに広げかねない。

さらに、障害者基本法改正に関する昨年の国会質疑で「可能な限り」について、「最大限努力する」との解釈が国の姿勢であると確認された。また基本法に続いて、まさに最大限の努力が必要な実定法分野でもこの表現が採用されれば、「出来なくても仕方ない」との現場の運用解釈(誤解)が広がる突破口となるのではないか。

*** 抜粋ここまで ***

部会三役やJDFの意見提起に始まり、発言する方のほとんどがこの点を大きな問題にしたことから、出席されていたWTの役員の皆さんの顔色が変わっていきました。

3月13日に閣議決定の予定ではありますが、あきらめることなく地元議員への働きかけを続けて頂きますようお願いします。

以下から、この問題に関連する資料がダウンロードできます。

▼「可能な限り」問題概要図(PPT)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2012/20120309mondaigaiyou.pdf

▼「可能な限り」該当条文(p2基本理念第一条の二の中盤・PPT)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2012/20120309kihonrinengaitoujyoubun.pdf

▼総合福祉部会三役意見(ワード)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2012/20120309bukai3yakuiken.doc

▼日本障害フォーラム(JDF)提出資料(ワード)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2012/20120309jdfiken.doc

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2011年12月12日 (月)

総合福祉法制定に向けての意見書が採択されました(さいたま市、小平市)

さいたま市、及び小平市において総合福祉法制定に向けての意見書が採択されました!

8月末の総合福祉法の骨格提言後、全国各地で講演会やシンポジウムが開催されています。特に、地域での取り組みの中で、障害者団体間の連携を強めて頂くとともに、自治体・地方議会への働きかけが重要になってきました。すでに、部会での二度に渡るコメントに見られるように、厚労省はきわめて消極的な対応に終始しています。
今後、改革的な内容を削ぐ「理由」に、「自治体からの懸念」をあげる可能性が高いと思われます。こうした「理由」をあげさせないためにも、地方自治体からの決議が採択されるように、JDFを中心に、地方議会への働きかけを求めています。

●10月27日JDF:「障害者総合福祉法の制定を求める国への意見書」提出のための地方議会に対する働きかけへの協力依頼(ワードファイル)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2011/20111208jdf-gikaiyobikake.doc

広島県廿日市市を筆頭に、福岡県久留米市に続き、埼玉県さいたま市、東京都小平市での意見書の採択は喜ばしいニュースです。また、さいたま市での決議は、政令指定都市で初の採択となります。ぜひ、こうした例も参考にしながら、各地での取り組みを進めて頂ければと思います!

■さいたま市(12月1日さいたま市議会本会議にて可決)
[議員提出案25号]
確実かつ実効的な「障害者総合福祉法」(仮称)の制定を求める意見書(PDF)
http://dpi.cocolog-nifty.com/mailmg/2011/20111207saitamaketsugi.pdf

12月2日埼玉新聞記事(PDF)
http://dpi.cocolog-nifty.com/website/work/t_2011110newspaper.pdf

■小平市(11月29日小平市議会本会議にて可決)
[議員提出議案11号]
障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言を生かした(仮称)障害者総合福祉法の制定を求める意見書(PDF)
http://dpi.cocolog-nifty.com/website/work/t_2011.11.29kodaira.pdf

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