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2014年6月16日 (月)

精神科病院の「病棟転換型居住系施設」に反対する緊急アピール

私たちDPI日本会議は、すべての障害者の権利と地域社会における自立生活の確立を目指して活動している障害当事者団体である。

病院の敷地内で暮らすことが地域移行と言えるのであろうか。DPI日本会議は2006年~2007年にも、厚生労働省の精神科病院敷地内「退院支援施設」構想実態化を阻止すべく運動に力を注ぎ、退院支援施設への移行は「社会的入院者」の解消には繋がらないことを訴えてきた。

厚生労働省は本年3月に設置した「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」において、精神科病院の病棟を居住系施設に転換するための協議を再び進めている。

日本は34万床もの精神科病床があり、これは人口比で全世界の4倍の精神科病床となっている。1年以上の長期入院を続けている人は20万人以上おり、地域での受け皿さえ整えば地域移行できる社会的入院が5~15万人いるとも言われている。これは、経営の都合であると検討会の場において経営側は発言している。この突出して多い精神科病床を削減し、地域移行を進めることが日本の大きな課題である。

しかし、現在検討されている「病棟転換型居住系施設」は、病院内の病棟を介護型施設、宿泊訓練、グループホームやアパート等に転換するというもので、生活の場は病院の敷地内にとどまるものである。にもかかわらず、数字上は34万床の精神科病床は削減され、地域移行が進んだと見なされる実態の伴わない見せかけの政策である。

我が国が本年批准した障害者権利条約では、第19条で「全ての障害者が他の者との平等の選択の機会を持って地域社会で生活する平等の権利を有することを認める」「特定の生活施設で生活する義務を負わない」と明記されている。「病棟転換型居住系施設」は、第19条が脱施設収容政策を求めている点と、事実上地域生活への選択ができない状況の中で進められている点から、この規定に反するものである。「病棟転換施設」問題は、障害者権利条約批准の価値を大きく損ねるものであり、精神障害者はもとより障害者全体に関わる重大問題である。真に地域移行を進めるためには、地域福祉サービスの拡充、住環境整備等の地域の社会基盤整備と、ピアサポートをはじめとする当事者エンパワメントの拡充が不可欠である。見せかけだけの地域移行ではなく、長年続けてきた大規模収容型施策から地域社会基盤整備へと政策の転換が必要である。

DPI日本会議は、障害者権利条約の理念に反する「病棟転換型居住系施設」に断固反対するとともに、地域の社会基盤整備を推し進めるように強く求める。

2014年6月15日
第30回DPI日本会議全国集会in静岡 参加者一同

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