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2013年12月26日 (木)

「病棟転換型居住系施設について考える会」記者会見報告~急浮上する精神科病院の「病棟転換型居住系施設」問題~

急浮上する精神科病院の「病棟転換型居住系施設」問題をめぐり「病棟転換型居住系施設について考える会」が発足、DPI日本会議も賛同団体として参加しています。以下、12月25日に厚生労働省記者クラブにおいて行われた記者会見について報告します。

◇記者会見報告
「病棟転換型居住系施設について考える会」による記者会見を行いました

精神保健法改正を受け2013年7月から11月にかけて行われた「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」において精神科病院の病棟の一部を居住系施設に転換する構想が浮上し、12月18日厚生労働省発表の「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案」に「病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について精神障害者の意向を踏まえつつ、様々な関係者で検討する。」との文言が盛り込まれました。

この動きに反対するため、長谷川利夫氏(杏林大学教授)らが呼びかけ人となって発足した「病棟転換型居住系施設について考える会」には12月23日現在で団体賛同18団体、個人賛同240名が参加しています。

▽病棟転換型居住系施設について考える会HP

2006年の障害者自立支援法施行時にも看板掛け替えの「退院支援施設」に対して、他団体とともに反対活動を展開してきたDPI日本会議は、同会に団体賛同しています。

12月25日の記者会見は、翌日26日に開催される社会保障審議会・障害者部会に先立って行われ、尾上浩二事務局長が参加しました。「病棟転換型居住系施設」が急浮上した経緯について長谷川利夫氏が説明した後、当事者の立場から加藤真規子氏(こらーる・たいとう)、関口明彦氏(全国「精神病」者集団)が「病棟転換型居住系施設」の問題点を指摘しました。
さらに上野秀樹精神科医が民間精神病院の立場からの構造的な問題について話した後、池原毅和弁護士が障害者権利条約から見た問題点を指摘し、偶然にも来日中だった精神障害法の専門家パーリン教授(ニューヨーク法大学院)の言葉「これは英語圏ではTransinstitutionalization(転換施設主義。注:施設から施設へ移すこと)と呼ばれる問題で、米国でも脱施設化の過程で発生した」を紹介しました。最後に記者からの質疑応答を受け、尾上事務局長から、これまでもこの手の構想は何度か浮上してきたが、2006年の退院支援施設でも反対の声が広がったこと、精神科病院の看板架け替えによる名目上の退院促進・地域移行の経緯を説明しました。

翌26日に開催された障害者部会では、複数の委員から、「最近批准承認となった障害者権利条約との整合性を図るべきだ」「精神障害者の人権に最大限配慮すると言いながら、病棟転換ということ自体が問題ではないか?」「病棟転換ではなく、地域での住まい確保こそ議論すべき」といった意見が相次ぎました。
一方で、「病棟転換という言葉による誤解。看板かけ替えは反対だが、デイケアや就労継続、アパート確保等を図り地域移行を進めて病床を削減したところもある。事例を集めて行く議論が必要」といった意見も出されました。

こうした議論の上、厚生労働省は「病棟転換型居住系施設の可否も含めてご議論頂く」とした上で、来年早々にも検討会を立ちあげて議論するとしました。今後どのように議論に参加し、運動を盛り上げて転換施設を阻止し、
本当の地域生活支援を実現していくかについてDPI日本会議も全力で取り組んで参ります。
みなさまのご協力をよろしくお願いします。

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