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2013年12月27日 (金)

千葉県入所施設「袖ヶ浦福祉センター養育園」入所者虐待・死亡事件に対する声明

平成25年12月20日
特定非営利活動法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議 
議長 山田 昭義

2013年12月13日の新聞報道によって、千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ヶ浦福祉センター養育園」で、利用者に対する職員からの暴行により、入所者の19歳の少年が死亡し、また、同園の男性職員5人が、少年を含む入所者計10人を繰り返し虐待していた疑いが発覚した。

言語道断の決して許すことのできない事件であり、まず、虐待の被害者の方々ならびにご家族に心から哀悼の意を表すとともに、設置者たる千葉県をはじめ、千葉県社会福祉事業団、袖ヶ浦福祉センターに大きな怒りを持って抗議する。これら関係者の責任は極めて重大であり、原因と責任の所在を明確にするとともに、早急に被害者の方々、同施設に入所されている方々、ご家族の心的なケアを行うべきである。加害者が相応の刑事上・民事上の責任を負わなければならないのは言うまでもない。

障害者虐待防止法が昨年10月より施行され、様々な取り組みが全国で進む中、防止義務の責任主体の一つである自治体である千葉県の責任は重大である。さらに、今年12月4日には、障害者権利条約批准案が国会で承認された。同第16条は「搾取、暴力及び虐待からの自由」を規定し、虐待の防止と虐待を受けた被害者の身体的及び心理的な回復及びリハビリテーション等の措置が締約国の義務とされている。
さらに同第19条では障害のない人と平等にどこで誰と住むか選択でき、特定の生活様式(particular living arrangement)での生活が義務付けられず、地域生活を支えるための支援を締約国に課す地域における自立した生活の権利条項も規定された。
これは「脱施設条項」ともよばれている。
そして、間もなく締約国となる日本にこれらを遵守する義務が生じる。

DPI(障害者インターナショナル)日本会議は、どんなに重い障害を持つ人でも障害のない人と共に平等に地域で自立した生活をすることができる社会づくりのために、障害種別を超えた団体として活動してきた。私たちは入所施設での虐待はなくならないと考える。
千葉県に対して、養育園を閉鎖し、入所されている方々を地域に戻し、地域で安心して生活することができる条件整備を行う検討を求めたい。

▽DPI声明全文(ワード)

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2013年12月26日 (木)

「病棟転換型居住系施設について考える会」記者会見報告~急浮上する精神科病院の「病棟転換型居住系施設」問題~

急浮上する精神科病院の「病棟転換型居住系施設」問題をめぐり「病棟転換型居住系施設について考える会」が発足、DPI日本会議も賛同団体として参加しています。以下、12月25日に厚生労働省記者クラブにおいて行われた記者会見について報告します。

◇記者会見報告
「病棟転換型居住系施設について考える会」による記者会見を行いました

精神保健法改正を受け2013年7月から11月にかけて行われた「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」において精神科病院の病棟の一部を居住系施設に転換する構想が浮上し、12月18日厚生労働省発表の「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案」に「病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について精神障害者の意向を踏まえつつ、様々な関係者で検討する。」との文言が盛り込まれました。

この動きに反対するため、長谷川利夫氏(杏林大学教授)らが呼びかけ人となって発足した「病棟転換型居住系施設について考える会」には12月23日現在で団体賛同18団体、個人賛同240名が参加しています。

▽病棟転換型居住系施設について考える会HP

2006年の障害者自立支援法施行時にも看板掛け替えの「退院支援施設」に対して、他団体とともに反対活動を展開してきたDPI日本会議は、同会に団体賛同しています。

12月25日の記者会見は、翌日26日に開催される社会保障審議会・障害者部会に先立って行われ、尾上浩二事務局長が参加しました。「病棟転換型居住系施設」が急浮上した経緯について長谷川利夫氏が説明した後、当事者の立場から加藤真規子氏(こらーる・たいとう)、関口明彦氏(全国「精神病」者集団)が「病棟転換型居住系施設」の問題点を指摘しました。
さらに上野秀樹精神科医が民間精神病院の立場からの構造的な問題について話した後、池原毅和弁護士が障害者権利条約から見た問題点を指摘し、偶然にも来日中だった精神障害法の専門家パーリン教授(ニューヨーク法大学院)の言葉「これは英語圏ではTransinstitutionalization(転換施設主義。注:施設から施設へ移すこと)と呼ばれる問題で、米国でも脱施設化の過程で発生した」を紹介しました。最後に記者からの質疑応答を受け、尾上事務局長から、これまでもこの手の構想は何度か浮上してきたが、2006年の退院支援施設でも反対の声が広がったこと、精神科病院の看板架け替えによる名目上の退院促進・地域移行の経緯を説明しました。

翌26日に開催された障害者部会では、複数の委員から、「最近批准承認となった障害者権利条約との整合性を図るべきだ」「精神障害者の人権に最大限配慮すると言いながら、病棟転換ということ自体が問題ではないか?」「病棟転換ではなく、地域での住まい確保こそ議論すべき」といった意見が相次ぎました。
一方で、「病棟転換という言葉による誤解。看板かけ替えは反対だが、デイケアや就労継続、アパート確保等を図り地域移行を進めて病床を削減したところもある。事例を集めて行く議論が必要」といった意見も出されました。

こうした議論の上、厚生労働省は「病棟転換型居住系施設の可否も含めてご議論頂く」とした上で、来年早々にも検討会を立ちあげて議論するとしました。今後どのように議論に参加し、運動を盛り上げて転換施設を阻止し、
本当の地域生活支援を実現していくかについてDPI日本会議も全力で取り組んで参ります。
みなさまのご協力をよろしくお願いします。

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フィリピン被災障害者支援に対する現状報告

フィリピン大型台風30号における被災障害者支援に際し、これまでに暖かいご支援を頂きました皆様に心より御礼申し上げます。
DPI日本会議では、加盟団体および、東日本大震災支援においても連携してきたNPO法人ゆめ風基金と共に、今回の支援活動を行うこととしました。

この支援活動が、被災地の障害者の生活環境の復興に役立つよう、まずは、
①現地当事者組織の拠点整備
②福祉機器の提供
の2点に支援方針を絞ります。
レイテ島タクロバンの被害状況は壊滅的であり、救援の目途は立っていないため、来年2月に、これまで現地の障害者情報の収集にあたってきたマニラの自立生活センター「ライフヘブン協会」代表のアブナー氏とともにセブ島へ行き、詳細な支援先特定の調査を経て、実際の物資提供に移ります。(なお、現地調査には支援金の一部を充てさせて頂きます)

活動状況は、ブログ等を通じて、随時お伝えしていきます。今後とも、ご支援いただき、見守っていただけますことをお願い申し上げます。

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2013年12月18日 (水)

~復旧でなく、復興へ、そして新生へ~ご支援ありがとうございます。東北関東大震災障害者救援本部は、支援活動を継続しています

東日本大震災の発生、そして東北関東大震災障害者救援本部として活動を開始してから、2年半が経過しました。被災沿岸部の自治体では具体的な復興計画が定まらず、復興住宅の建設および仮設住宅解消の見通しが立たない地域が数多くあります。

活動2年目、救援本部で設置した各地のセンターでは、地域の新たな社会資源となるべく、事業化の方向性を探りました。一方、復興が進むにつれてニーズが減るだろうと予測していた個別支援は、移送サービスを中心により深刻化した状態で、緊急支援から日常支援へと移り変わってきました。

2013 年12 月4 日、障害者の権利条約批准が参議院本会議で承認され、発効から5 年余りでようやく日本の批准が実現となったこの日、震災からちょうど1,000 日を迎えました。今の被災地では、震災前と変わらない風景が見られる場所や暮らしを再建しつつある人々の「日常」と、復興へ踏み出せない場所や現在もなお支援を必要としている人々の「非日常」が混在しています。支援の手が薄れること、退くことは、この差が広がることと同じです。現在もなお支援を必要とする被災者の生活が、時間の経過によって改善されることありません。問題が解決されないまま、支援活動を終了させることは出来ません。

これまでも多くのNPO が震災支援に関わり、そして撤退していきましたが、我々障害者救援本部は、今後も息長く活動を継続してまいります。どうぞご協力・ご支援のほど、よろしくお願い致します。

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2013年12月14日 (土)

12月15日(日)被害と加害の関係性 ~生きる苦悩と居場所づくり~

起きてしまった出来事の強烈さ・悲惨さが前面に出ると、事件の被害者への同情と、加害者への憤りの感情で一杯になりがちです。しかし、加害者・被害者とラベルを貼ることで「わかったつもり」になり、事件を「他人事」として受け止め、起きてしまった事件の背後にあるものを見過してはいないでしょうか?

私たちは、被害者・加害者とラベルを貼って安心することで、大切な何かを見落としていないでしょうか?お二人のご経験をお聞きして、一緒に考えてみませんか。

○日時:2013年12月15日(日)13時30分~16時30分
○会場:大阪市社会福祉研修・情報センター5階大会議室(〒557-0024 大阪市西成区出城2-5-20)
○資料代:無料
○参加申込:不要
○講師:
・山口 由美子さん(西鉄高速バスジャック事件被害者、子どもの居場所「ハッピービバーク」親の会「ほっとけーき」)
・大久保 圭策さん(精神科医)

◇主催・お問い合わせ:
NPO大阪精神医療人権センター大阪市北区西天満5-9-5 谷山ビル9階 電話 06-6313-0056、ファックス 06-6313-0058

▽チラシはこちら(ワード)

▽大阪精神医療人権センターHP

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1月18日(土)障害者差別解消法の成立を踏まえ、兵庫県下各自治体での条例制定を促進しよう!!

12月4日国会で障害者権利条約の批准案が承認され、日本の権利条約批准が確定しました。
障害の有無に関わらず、かけがえのない個人として誰もが尊重される社会を実現していく大きな一歩です。
権利条約批准のための国内法がこの3年余り、障害者制度改革として推進され、2013年6月には「障害者差別解消法」が成立しました。

法律の施行は3年後の2016年4月ですが、それに向けて障害を理由とする差別の解消を推進し、分け隔てのない共生社会を実現していかなければなりません。国の法律はできましたが、より実効性を確保するためにも、各自治体レベルでの「差別解消条例」は必要です。

障害者団体だけでなく行政や様々な機関の方々にも是非、ご参加いただき条例制定や差別を解消する仕組み作りについて、皆さんと考え合いたいと思います。

○日時:2014年1月18日(土)13時~
○場所:神戸市勤労会館403・404会議室(〒651-8570 神戸市中央区雲井通5丁目1-2)
○資料代:300円
○講師・シンポジスト:尾上 浩二さん(DPI日本会議事務局長)、横山 正博さん(前千葉県健康福祉部障害福祉課長)

◇お問い合わせ:
障害者問題を考える兵庫県連絡会議事務局 神戸市東灘区住吉宮町7-7-8 レ・モン1階 生活支援研究会内
電話 078-842-3299、ファックス 078-842-3354

◇主催
ひょうご地域福祉政策研究会、兵庫県自立生活センター協議会、障害者問題を考える兵庫県連絡会議

▽チラシはこちら(ワード)

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1月18日(土)「農事業 障害者 若者 農村と都市」をつなぐセミナー

従来より、障害者の働く場としてのみ農業に関わってきた視点から、新たに「農事業 障害者 若者 農村と都市」をつなぐ観点から、私たちもその担い手として取り組んでみたいと思います。

すでに農畜産事業に携わっている仲間の交流はもちろん、具体的な方向性はまだ提示できないものの、今回のセミナーをきっかけに私たちの未来志向で議論を深めたいと思います。多くのみなさんのご参加をお願いします。

○日時:2014年1月18日(土)13時~17時、交流会17時30分~、19日(日)9時~12時
○場所:与野本町コミュニティセンター多目的ホール(小)(〒338-0003 さいたま市中央区本町東3-5-43)※両日とも同じ会場です
○参加費・申込み:参加費無料・予約不要です。当日は直接会場までお越しください。
※19日の昼食後に、見沼田んぼ福祉農園を見学します。車の手配の都合がありますので、希望者は1月上旬までにご連絡を下記メールまでお送り下さい。終了は15時の予定です。

○プログラム:
<記念講演>
「農事業 障害者 若者 農村と都市を考える」濱田 健司 一般社団法人 農協共済総合研究所 調査研究部 主任研究員
<特別報告> 
農林水産省から(予定)
<現場報告>
伊藤 勲  NPO法人 やまぼうし(東京都日野市)、猪瀬 良一 見沼田んぼ福祉農園協議会(埼玉県さいたま市)、島田 明子 NPO法人 わっぱの会 知多農場(愛知県知多市)、石川 一郎 社会福祉法人 月山福祉会 障害福祉サービス事業 作業所月山(山形県鶴岡市)、井出 昌  NPO法人 結(東京都八王子市)、石澤 利巳 NPO法人 札幌障害者活動支援センター ライフ(北海道札幌市)
<全体討論>

◇お問い合わせ:
共同連東京事務局 メール kyoudourentokyo@gmail.com、大坂富男(埼玉県)メール k-reds@symphony.plala.or.jp

◇主催
「農事業 障害者 若者 農村と都市」をつなぐセミナー実行委員会(共同連 埼玉障害者市民ネットワーク)

▽チラシはこちら(PDF)

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2013年12月11日 (水)

障害者権利条約の国会承認にあたってのDPI声明

去る12月4日、「障害者の権利に関する条約(以下、権利条約)」の批准が国会に於いて全会一致で採択され、日本の権利条約の批准がついに確定しました!以下、権利条約の国会承認に当たってのDPI日本会議声明を掲載します。


2013年12月4日
障害者権利条約の国会承認にあたっての声明
特定非営利活動法人 DPI日本会議
議長 山田昭義

2013年12月4日、参議院本会議において、「障害者の権利に関する条約(以下、権利条約)」の批准承認案を全会一致で採択し、事実上、日本の権利条約の批准が確定した。

国連における条約交渉過程から深く関与してきたDPI日本会議は、この国会承認を心から歓迎し、ご尽力頂いたすべての関係者の皆様に心から感謝の意を表明する。

権利条約は2001年の国連総会でその検討が決まり、その後8回の障害者権利条約特別委員会(以下、特別委員会)等を経て、2006年12月13日に国連総会で満場一致で採択された。DPI日本会議は他の障害者団体と協力し、当会議の役員であった東俊裕氏を日本政府代表団顧問とし、また、のべ200人以上に及ぶNGO代表団を組織して特別委員会等で活発なロビー活動を行ってきた。

そこでのスローガンは“Nothingabout us withoutus!”(「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」)であり、障害当事者の参画がこの条約の土台を作り上げたといえる。

日本政府は2007年9月28日に権利条約に署名し、2009年3月には批准にむけて動いた。しかし私たち障害者団体は当初から、まず基本的な法制度の条件整備を行ったうえでの批准を求めており、拙速な批准には反対していた。さまざまな働きかけを行い、関係者の尽力で法制度の整備抜きの批准を食い止めることができた。

その後、障害当事者の実質的な参画の下で、権利条約批准のための障害者制度改革が始まり、障害者基本法の改正、障害者総合支援法と障害者差別解消法の成立、障害者雇用促進法の改正など、課題を残しながらも一定の成果を上げてきた。そしてこのたびの批准の動きにつながったことの意義は大変大きい。

しかし、批准で一段落ということでは決してないということを強調したい。批准までが第1のステージだとすれば、これからは権利条約の完全実施という第2のステージを迎える。権利条約の目的である障害のある人とない人が差別なく、分け隔てられることなく地域で安心して生活できる。インクルーシブな社会の実現は、これからが正念場である。

施設や病院における障害者の社会的入所や社会的入院の解消、障害のある子どももない子どもも共に学ぶインクルーシブ教育制度の実現、強制入院制度の見直しや意思決定支援制度の確立など、課題は多い。障害者基本法や障害者総合支援法、障害者虐待防止法の見直しへの取り組み、障害者差別解消法および改正障害者雇用促進法の施行に向けた取り組み等が目の前に迫っている。

私たちDPI日本会議は、改めてこれまでの関係各方面の皆様のご尽力に敬意を表しつつ、今後も、他の障害者団体や市民団体等と協力しながら、第2ステージである権利条約の完全実施に向けて全力を尽くすことを決意として表明する。

以上

▽障害者権利条約の国会承認にあたっての声明(DPI日本会議)

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