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2012年1月11日 (水)

福島県田村市の不服審査請求と和歌山市介護保障裁判について

明けましておめでとうございます。
本年もDPIブログを宜しくお願いいたします。

さて、新年第一弾は、2つよいニュースが飛び込んできましたので、そのご報告です!

まずは、福島県田村市の不服審査請求についてです。福島県田村市において、原発事故等の影響で避難せざるを得ない状況になったにもかかわらず、支給量の増加を認めなかった田村市の決定に対する、鈴木尚美さんの不服審査請求が進められていました。2011年12月28日、福島県より田村市の決定を退ける通知がありました。これは、鈴木さんの主張が認められたことになります。この件については、詳細が届き次第、またお伝えしていきます。

次に、和歌山市介護保障裁判(石田訴訟)について以下にご報告いたします。

■和歌山市介護保障裁判(石田訴訟)

大阪高等裁判所が、2011年12月14日、重度障害者の石田雅俊さん(43歳)の障害者自立支援法に基づく介護給付費などの支給申請に対して、1日あたり18時間以上、1か月578時間を下回らない介護給付費支給決定をするよう和歌山市に命じる判決を下しました。弁護団は、最高裁判所に上告せず、この判決に基づいて、速やかに介護給付費支給決定をするよう、和歌山市の大橋建一市長などに申し入れをしました。

<裁判への経過>
2009年8月21日に和歌山市より、石田雅俊さんが「一人暮らしに慣れた」などの理由で、それまでの介護時間のおよそ100時間削減となる、407.5時間の支給決定をされました。この裁判は、それにより生活が困難になったとして、市に対し訪問介護の24時間化などを求めたものです。

<2010年12月17日一審の判決>
一審の和歌山地方裁判所では、和歌山市の支給決定は裁量権を著しく逸脱しているとして取り消しとなりました。また、市に対し月500.5時間以上月744時間以下の範囲で支給決定を見直すように義務づけたという点が画期的なところです。

しかし、本来求めていたのは744時間の支給決定でしたが、裁判所は「そうしなければ、原告の生命身体に重大な侵害が生じる恐れがあるとまではいえない」と退けました。この判決は、500.5時間以上~744時間の間でより適正な時間を出すよう求めたもので、24時間が必要とは明確にされていません。市の財政状況などを考慮して決めるという市の広い裁量権を一定認めている点も不十分です。また、深夜の巡回型(30分×4回)を前提に支給決定したことは著しく逸脱していると判断したものの、泊まり介助(継続して一晩ずっと介助に付いている)までは認めていませんでした。

一部勝訴判決ではありましたが、上記の諸問題等を検討し、石田さんと弁護団は控訴を決めました。

<2011年12月14日大阪高裁での判決>
大阪高裁は、支給量の決定に際しては、障害のある人の個別具体的な事情を踏まえ、当事者の自立した日常生活を可能とするよう配慮すべきことを明らかにし、また一審では認められなかった夜間の(巡回ではなく)継続での見守り介護の必要性を認め、一審判決よりも更に一歩進んだ判断を示しました。高裁判決は、月578時間を「下回らない」支給決定を和歌山市に義務付けており、24時間介護の可能性も認めた判決といえます。

このように高裁判決は、和歌山市ひいては日本全国の障害のある人の地域での自立生活を一歩前進させる画期的な判決であると評価できると考えます。

<2011年12月28日上告せずの記者会見>
和歌山市はこれら2つの判決を真摯に受け止め、上告することなく、直ちに石田さんに対し自立した日常生活に十分配慮した支給決定、具体的には1日24時間の介護を前提とする支給決定が求められていました。

私たちDPI日本会議は、和歌山市に対して上告を断念するように要望書を出すことを各方面に求め、多くの方々の協力を得た結果、2011年12月28日、原告側も被告側も上告せずとの記者会見がなされました。これにより、判決が確定することになると思われます。

MSN産経ニュース(ウェブサイト)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111228/trl11122820530002-n1.htm

<今後の動き>
これまでに比べて、この大阪高裁判決により、行政庁が、障害者自立支援法に基づく介護給付費支給決定を行うに際しては、障害当事者の自立した日常生活に配慮すべきことが明らかになりました。私達は、この判決で確認された「地域で自立した日常生活」を当たり前に実現する制度を実現するため、全国の仲間と今後も活動を続けていきます。

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