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2006年9月25日 (月)

総合リハビリテーション研究大会(10/27-28・東京)

DPI日本会議に届いたイベント案内です。問い合わせは主催者までお願いします。

第29回総合リハビリテーション研究大会
 -障害者の権利保障確立に向けて-

現在国連で審議が進められている「障害者権利条約」をはじめとする
国際的動向や、転換期にあるわが国の障害者施策と実践のあり方に
ついて、さまざまな分野から討論します。

●テーマ    障害者の権利保障確立に向けて

●とき     2006年10月27日(金)・28日(土)
●ところ    全社協・灘尾ホール (新霞ヶ関ビル)
       (千代田区霞が関3-3-2 TEL: 03-3580-0988)
       http://www.shakyo.or.jp/aramasi/access.html
●定員     400名

●大会参加費  5,000円 (懇親会を除く全プログラム)
●懇親会費   2,000円 (10月27日夕方)

●主催     第29回総合リハビリテーション研究大会実行委員会
       財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

●後援(順不同)  
 内閣府、厚生労働省、文部科学省、東京都、
 社会福祉法人 全国社会福祉協議会、
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構

■申込方法 下記ホームページから参加申込みができます。
       http://www.normanet.ne.jp/~rehab/
      (申込締切 2006年10月2日(月))

■主なプログラム(敬称略)
○10月27日(金)
開会  10:00

[ 1 ] 基調講演  10:15~11:20 
 「障害者の国際人権保障 -その歴史と課題-」
    川島 聡 (新潟大学大学院博士研究員)

[ 2 ] 特別報告  11:30~12:00 
 「障害者権利条約アドホック委員会第8回会合について」
    鈴木 誉里子 (外務省国際社会協力部人権人道課
            首席事務官)

[ 3 ] シンポジウム  13:00~16:30
 「障害者権利条約とわが国の課題」

 コーディネーター
    藤井 克徳 (日本障害者協議会)

 シンポジスト 
    金 政玉  (日本障害フォーラム権利条約推進委員会
           /DPI日本会議) 
    小宮 英美 (NHK解説委員)
    関 宏之  (広島国際大学医療福祉学部)
    長門 利明 (内閣府障害者施策担当) 
    野村 茂樹 (日本弁護士連合会/
           障害のある人に対する差別を禁止する
           法律調査研究委員会)

[ 4 ] 懇親会  17:00 ~18:30 (会費制)

○10月28日(土)
[ 5 ] 分科会  10:00 ~ 12:00
    「インクルーシブな地域社会実現に向けて」

 <グループ1>「重度障害者と地域生活」
   座長 石渡 和実 (東洋英和女学院大学人間科学部)

 <グループ2>「情報コミュニケーションの平等を目指して
         ~だれもがいつでも安心して利用できる
          情報機器と支援サービス~ 」
   座長 八藤後 猛 (日本大学理工学部建築学科)

 <グループ3>「地域で働く」
   座長 指田 忠司 (高齢・障害者雇用支援機構障害者
             職業総合センター/日本盲人会連合)

 <グループ4>「世界のインクルーシブ教育とわが国の障害
         児教育」
   座長 飯島 勤  (全日本手をつなぐ育成会)

-昼休み-

[ 6 ] 総括シンポジウム  13:00~15:20
    「障害者の権利確立とインクルーシブな地域社会実現
     に向けて」

 コーディネーター
    伊藤 利之 (横浜市リハビリテーション事業団顧問)

 シンポジスト
    各分科会座長およびコメンテーター

閉会  15:40

※プログラムは変更することがあります。

■申込先・問合せ
    第29回総合リハビリテーション研究大会事務局
    162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
    財団法人日本障害者リハビリテーション協会内
    TEL:03-5273-0601  FAX:03-5292-7630
    E-mail: rehab@dinf.ne.jp
    http://www.normanet.ne.jp/~rehab/

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2006年9月14日 (木)

福祉交通セミナー(10/20-21・東京)

DPI日本会議に届いたイベント案内です。問い合わせは主催者までお願いします。

福祉交通セミナー ~これからの福祉交通の戦略~

 日本福祉のまちづくり学会では、障害者・高齢者等の移動の実現を目的として、特別委員会(福祉交通サービス)を立ち上げ、福祉交通サービスや病院送迎、コミュニティバスやタクシーなどの交通システムについて、福祉交通のあり方や戦略の研究を進めております。
 このたび、下記のとおり「福祉交通セミナー」を開催いたします。
 「福祉交通セミナー」の内容は、道路運送法等の法律の動向、計画や移動保障の基本問題の考え方、福祉交通サービスの供給者および利用者の現状、公共交通システム、福祉交通の新しい事例(病院送迎、子育て支援、過疎地域の交通等)について発表し議論を深めることを目的としています。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。

日本福祉のまちづくり学会           
特別委員会(福祉交通サービス) 委員長  秋山 哲男

               記

●日時 平成18年10月20日(金)・21日(土) 
    いずれも9:15 受付開始

●場所 砧区民会館 ホール
(東京都世田谷区成城6-2-1/TEL03-3482-1313)

●募集人数 200名(先着順 ※下記申し込み方法参照)

●参加費 2,000円(資料代として 当日受付にてお支払い下さい)
 ※懇親会参加の方は別途3,000円を当日受付にてお支払い下さい

●プログラム概要
 一日目:国の制度、福祉交通サービスの現状、交通システムや計画の考え方
 二日目:福祉交通の新しい展開、子育て中の移動支援

●申込方法 および 申込期限
 10月6日(金)までに、(1)氏名、(2)所属、(3)連絡先、(4)参加日、(5)希望分科会(一日目)、(6)懇親会参加の有無、をご記入の上、郵送、メール、FAXによりお申し込み下さい。郵送・FAXの方は、裏面の申し込み書をご使用下さい。(申し込み多数でお断りする場合は事務局から連絡致します)
※10月21日午後のみ保育サービス(小学6年生まで)を用意しております。希望される方は、下記の申し込み時に保育サービスが必要な旨ご記入下さい。こちらから折り返しご連絡差し上げます。

●申込先 および 問合せ先  
 首都大学東京 秋山研究室 気付 セミナー係
E-mail sts2006tokyo@yahoo.co.jp
FAX 0426-77-2352  住所 〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1

●主催  
 日本福祉のまちづくり学会 福祉交通サービス特別委員会  
 交通エコロジー・モビリティ財団、
 世田谷区役所
 土木学会STサービス・交通バリアフリー研究小委員会
 特定非営利活動法人 全国移動サービスネットワーク

チラシ(申し込み・地図など)はこちらから(PDF形式)

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「欠格条項見直しと運転免許」シンポジウム(10/15・東京)

DPI日本会議に届いたイベント案内です。申し込み等は主催者までお願いします。

◆公開シンポジウム◆

運転に聴力は必要ですか?! ~欠格条項見直しと運転免許~

 今年4月に警察庁から、ワイドミラー装着などを条件に、聞こえない人の普通免許取得を認める方針との報道発表がありました。免許制度は今後どうなるか、正確な情報をもとに討論し、障害当事者の思いや望むもの、課題を明確にしようと、このシンポジウムを開催します。
 主催3団体は昨年度に「聴覚障害者と運転免許」アンケート調査を行いました。1475人が回答された調査結果も報告します。ぜひご参加を!!

●日時: 2006年10月15日(日)
    午後1時30分~5時 (開場1時)参加料無料
●場所:日本財団ビル(東京都港区)2階「会議室AB」
   ◎受付 「JTビル」側の玄関から入り、エレベーターで2階へ
●手話通訳・PC文字通訳・磁気ループあり
   ◎文末の「参加申込み」をお送りください(当日受付もOK)

●総合司会    高岡 正(全難聴理事長)

●プログラム
<報告・説明>
・「聴覚障害者と運転免許」アンケート結果から
        臼井久実子(なくす会事務局長)
・警察庁委託調査研究結果等について
        園田 清(警察庁交通局運転免許課課長補佐)

<シンポジウムと会場とのディスカッション>
・運転50年 ろう者として発言し続けて
        黒崎信幸(前全日ろう連副理事長)
・難聴者・中途失聴者の立場から
        清成幸仁(全難聴理事)
・欠格条項見直し-政府の取組から
        高倉恵子(内閣府参事官補佐・障害者企画担当)
・弁護士として相談をうけて
        田門 浩(弁護士)

・コーディネーター
        松本晶行(全日ろう連副理事長)

●主催:
財団法人全日本ろうあ連盟(略称 全日ろう連)
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(略称 全難聴)
障害者欠格条項をなくす会(略称 なくす会)

●協賛:日本財団

<代表連絡先>財団法人全日本ろうあ連盟
〒162-0801 新宿区山吹町130 SKビル8階
   電話 03-3268-8847 ・ FAX 03-3267-3445
   ウェブサイト http://www.jfd.or.jp/

会場地図
〒107-8404 港区赤坂1-2-2 日本財団ビル
車でのご来館はご遠慮下さい。
車が不可欠な方は、事前に主催者までご連絡下さい。

交通アクセス
 ★印の駅は、ホームから地上までエレベーター有

1. 地下鉄丸ノ内線「国会議事堂前駅」★ 3番出口より徒歩6分
  (国会記者会館を左折、内閣府下の交差点を越え、
  外堀通りを渡った正面の8階建てのビル)
  東京駅方面から:JR「東京駅」★
    →地下鉄丸ノ内線「東京駅」★→(3駅目)
2.  地下鉄銀座線「虎ノ門駅」 3番出口より徒歩5分
  (出口より前方、歩道橋の向うに財団の看板)
  東京駅方面から:JR「東京駅」★
    →JR山手線「新橋駅」→地下鉄銀座線「新橋駅」→(1駅目)
3. 地下鉄銀座線「溜池山王駅」 9番出口より徒歩5分
  (外堀通りを虎ノ門方面へ直進、右手)
4. 地下鉄千代田線「国会議事堂前駅」★ 3番出口より徒歩6分

◎お申込み方法
下記ご記入の上、メールにて、お早めにお申し込み下さい。
なお、下記のFAXでも受け付けます。
会場の定員200名を越えた時にのみ、こちらから連絡をさしあげます。
いただいた個人情報は、このシンポジウム開催のためだけに使用します。

送り先 「全日本ろうあ連盟 本部事務所」
メール unmen@jfd.or.jp
 メールの題は「運転シンポ参加」とお書き下さい
 FAX 03-3267-3445 でも受け付けています。
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◆10月15日「運転に聴力は必要ですか?!」シンポジウム 参加申込み
名前:
所属:
連絡先(メール、FAX、電話など、昼間に連絡がつくところをお書きください)
 

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自立支援法(精神障害者退院支援施設関連)パブリックコメント

 本日、DPI日本会議は厚生労働省のパブリックコメントの募集に対し、以下の意見を提出いたしました。

「障害者自立支援法に係る省令・告示で定める事項等」に関する意見

DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長:三澤了

 去る8月24日付で、標記中間報告に対するパブリック・コメントの募集がありましたので、DPI(障害者インターナショナル)日本会議として下記の通り提出いたします。

別紙6-4自立訓練及び就労移行事業の報酬について
(2)精神障害者退院支援施設加算について(実施時期を含めて検討)に関する意見

1.「精神障害者退院支援施設」は、病院・施設への閉じ込めにしかならない
 「精神障害者退院支援施設」については、「利用期間:自立訓練(生活訓練)の加算であるため原則として2年~3年」と利用期限を限るので、地域移行が進むとの説明があるが、「原則として2年~3年」であるため更新すれば延長可能となる。例え、市町村審査会が認めなければ更新ができないようにしても、精神病院の院長の更新決定を市町村審査会が覆すことはありえない。これは、精神医療審査会を見ても明らかである。
 したがって、「退院支援施設」→(病状悪化を理由に)病棟へ→再度「退院支援施設」と利用者が移動すれば、医者の運用次第で利用者をこれらの施設に閉じ込めてしまう事は可能となり、それに対する歯止め策はない。病院・施設への閉じこめが可能となる施設を新たに作るべきではない。

2.「精神障害者退院支援施設」は精神障害者の自立を促進しない
 「精神障害者退院支援施設」の運営基準としては、「通常の生活訓練事業所又は就労移行支援事業所として満たすべき基準のほか、公共交通機関の利用、外部での活動等を組み合わせた個別支援計画の策定、地域の関係者等との連携等を通じ、地域活動等への参加を確保する。」とある。
 個別支援計画の作成は、自立支援の担保とならない。何故なら、計画を作成したとしても、第三者機関等による履行チェックの仕組みがなく、ただの机上の空論となるからである。
 また、外部での活動を組み合わせる際、どのような活動を外部とするのかが、非常に重要であるにも関わらず、この事項について曖昧である。病院周辺を散歩する程度でも、外部での活動となってしまう危険性がある。この事項は、地域活動への参加についても、同様である。
 現在の精神医療には、これらの事項を監視する機構はなく、内部監査は、精神障害者の人権擁護にもとづいたものではない。したがって、個別支援計画の策定や外部活動との組み合わせをすることをもって、精神障害者の自立支援とは言えず、それを施設運営基準としても意味がない。

3.「精神障害者退院支援施設」は社会的入院の解消の数合わせに利用されてしまう
 「精神障害者退院支援施設」は、医療報酬の対象からは外れ「退院」と扱われ、「社会的入院は解消されつつある」という数あわせに利用されてしまう。「精神障害者退院支援施設」に移る事によって、「社会的入院」の人数からは外れること、同時に「退院」と統計上扱われることは、厚労省自身も認めている事実である。さらに、医療統計で「精神病院の病床が××人分減」と報じられることになり、「社会的入院解消は進みつつある」と誤解を生む。「精神障害者退院支援施設」は社会的入院の数合わせとなるだけである。

4. 障害福祉計画で推進するべき地域移行は、「精神障害者退院支援施設」ではない
 自治体の障害福祉計画には、地域生活移行の数値目標達成として、「精神障害者退院支援施設」の利用者数を含めるべきではない。本来は、自治体は精神障害者の地域生活の基盤や仕組みづくりを整備するべきで、ホームヘルプやグループホーム、居住サポート、退院促進のためのピアサポートの活用を支援するべきである。しかし、自治体が「精神障害者退院支援施設」を安易な地域移行のツールとして利用しかねない。したがって、障害福祉計画で精神障害者の地域生活のサポートの仕組みをしっかりと作ることを数値目標とし、そのための施策を講じるべきである。

 上記の4点を踏まえ、「精神障害者退院支援施設」の構想を白紙撤回するべきである。また、社会保障審議会においても「精神障害者退院支援施設」について説明、議論をしていないことから、手続上も問題がある。したがって、この事項についてパブリック・コメントを求めること自体は、本来あってはならないことである。
 「精神障害者退院支援施設加算について(実施時期を含めて検討)に関する意見」について、「実施時期を含めて検討」と文言を挿入することになった経緯(8月23日に行われた「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」実行委員会との交渉)を踏まえ、今後、障害者団体との協議を行い、真の意味での地域移行を具体的に検討するべきである。

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2006年9月12日 (火)

第8回障害者の権利条約特別委員会(8・了)

8月25日(金) 緊迫する最終日3 ―新たな歴史が始まった―

●最後は投票で
 でも、すでに7時を過ぎました。緊張が漂っています。難問、前文s-bisの「占領下における危機的状態からの障害者の保護」の問題が残っています。イスラエル・レバノン情勢を反映した政治的な問題なのでたちが悪い。当初は第11条「危機的状況」条項に「外国による占領」を挿入するというアラブ諸国からの提案がされたものでした。譲歩したアラブ諸国の前文に移すという再提案に対しても、アメリカやイスラエルなどが反対し、こう着状態が起きていたのでした。そこで、業を煮やしたマッケイ議長が投票による解決を行うということになったのです。この投票のために会議室を移動したのです。投票というのは興味深い。窓側にかかっていた大きな壁のカーテンが自動的に開き、全加盟国の投票結果を示す電子投票版がでてきたのです。おおーっ。一斉に会場のカメラのフラッシュがたかれました。投票の結果、文言を「残す」が102、棄権8、反対(削除ということ)5で、「外国の占領下~」という文言を残すという意見が圧倒的に勝利を収めました。ちなみに、反対した国は、日本、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イスラエルの5カ国です。障害者の人権保障を目的とする本条約に政治的課題を持ち込むことに反対といった理由のようでした。うーん、アメリカ追従ってわけでもないだろうけどねー。
 これをもって、特別委員会は、2006年8月25日午後8時、最後の難関を乗り越え、条約案全文を採択したのでした。

●歴史は動く
 条約草案を含む特別委員会報告書が採択されると、国連総会の議長が姿を見せました。3分間の起立拍手の後、「歴史が作られたのです」と祝辞を述べました。そして祝辞の嵐。ルイス・ガレゴス前議長へ、DESA事務局へ。マッケイ議長への賛辞も次々と述べられましたが、彼は静かにうつむいていました。さまざまな思いがよぎっているに違いありません。
 NGOのメンバーとしてうれしい体験もできました。政府代表団がNGOの参加者に対し起立拍手を送ったのです。これは、“nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)”という声を上げて、条約草案の内容に対し多大な貢献をしたとして謝意を示す意味でした。IDCとして発言したEDFのステファンは、12条と17条に関して残念であるというコメントを出しましたが、世界盲人会連合会長のキキ・ノルドストロームのスピーチは深い感動を呼ぶものでした。
 
 今後の流れを見てみましょう。第8回特別委員会はいったん中断されるという形になります。そして、第61期国連総会に条約の最終草案を提出するために、起草グループ(drafting group)が設けられ、文法上の文言の調整や各公用語への翻訳などが行われます。その後、中断していた第8回特別委員会が再開されて、起草グループで完成した条約案文を承認して、社会・人権・人道問題を扱う総会第3委員会に付されます。そして、12月までに総会に正式の条約案として提案され、問題が無ければ正式に条約として採択され、20カ国以上の署名・批准が行われた時点で発効となります。

 DPI日本会議は、2002年から積極的にこの条約策定過程に関わってきました。途中からはJDFの仲間とともに、障害当事者の「われら自身の声」を少しでも反映させるべく努力してきました。条約に関する日本会議のポジションペーパーを作成し乗り込んだESCAPのバンコクでの会議、バンコク・レコメンデーション、北京の会議・・・。第2回特別委員会における当時のIDA(国際障害同盟)のリーダーたちの「nothing about us without us!」の声。作業部会、そして今への道筋をつけた議長草案。
 第2回から政府代表団顧問として活躍した日本会議の常任委員で車いす弁護士の東さん、本当にお疲れ様でした。さまざまな草の根の障害者運動に関わってきたことが法律上の知識に説得力を持たせたため、さまざまな制約の中でもあれだけの意見を政府にアドバイスできたのかなーと思います。13条の「司法のアクセス」条項、19条の「自立生活」条項は東さんをはじめとする日本政府・NGOの貢献が大きいと思います。他に、JDF条約委員会の委員長で日本会議の金政玉さん、作業部会を始め、国内取りまとめ、お疲れ様でした。大きな枠を作り上げ、政府への働きかけを共にしたDPI以外のJDFの方々、劣悪な環境の下、条約の意義を感じ取ってがんばってくださった通訳さん、事務局のスタッフ、本当にお疲れ様でした。事務方としても皆様のご協力に感謝申し上げます。

 歴史は動きました。そして土俵は国内に移されます。これからが勝負です。知恵を集めて団結してわれら自身の声をあげていきましょう。

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第8回障害者の権利条約特別委員会(7)

8月25日(金) 
緊迫する最終日2 

●進む採択
 午後の審議は通常3時から始まりますが、今日も、昨日やおとといと同じく公式会議はなかなか始まりません。そして4時ごろ、投票のシステムがある会議室に場所を移すということで、何百人もの人がぞろぞろ移動しました。第4会議室から第3会議室へ。実はこの第3会議室は、第1回特別委員会が開催されたなつかしい会議室! でも、この会議室はアクセスや情報保障に問題がありました。政府代表団席のある1階は、車いすが政府代表団の席への通路に入れないので、東顧問が日本政府の席に近づけないし、英語のイヤホンも聴けず・・・。政府の人にもう少し配慮して欲しかった・・・。当時の状況は非常にばたばたでしかたなかったというのも理解はしていますが。1階席と、車いすで入れない2階席にJDFのメンバーも分かれてしまい、私は行ったりきたりでした。
 4時40分ごろにようやく公式会議が始まりました。こりゃ、今日中に終わらないかも。長瀬さんとJDFとしてもそうした事態に対処する事務局体制を考えなくては、なんていう話をしていました。通訳さんへの配慮、水や食べ物の調達、夜の打ち上げ会場(JDF御用達日本料理店「やきとりイースト」(笑))をキャンセルしようか、どうしようか、などなど。

 さて、審議は第24条「教育」条項へ。採択!先週もお伝えしたとおり、この特別委員会は、日本が原則統合教育への第一歩を鮮明にした歴史的会議となりました。やっとだ、とはいえ日本政府の賢明な判断に拍手しましょう!でも、いろいろあるだろうし、これからもがんばらなくては。
 第8条「啓発」条項。この条項も含め、ジェンダー条項といわれるものがいくつかあります。宗教や文化に根ざす根深いというか原理的に和解が不能な問題という感もあり、最後までもめました。第1項のバラグラフ(a)で家族レベルという文言の挿入とパラグラフ(b)において「ジェンダー」から「セックス」に文言を変えて採択。

 第27条「雇用・労働」条項。EUが譲歩して採択。この27条は、雇用における合理的配慮の提供や差別の禁止を謳っており、遅々として進まない障害者雇用の拡大になんとしてでも利用していきたい条項です。
 第29条「公的活動への参加」条項、採択。第4条「一般的義務」採択。第16条「搾取・暴力からの自由」採択。

 次は第6条「障害をもつ女性」条項です。採択。個別の条項については、拍手が一番長かったと思います。第3回特別委員会で韓国政府が提案してから、さまざまな議論がされてきました。なぜ女性だけなのか、先住民など、ほかにもさまざまな少数集団があるのに・・・、という議論です。当初、NGOやアフリカ諸国は賛成していましたが、どうみても旗色は悪く、独立条項は無理っぽかったのですが、韓国政府のねばりづよいロビーと、英語もそれほど得意ではない韓国のNGOの仲間がIDCの他の仲間と協力しながら行ってきた長い間の努力が実った瞬間でした。ちょっと感動してしまった・・・。

 採択は進みます。
 第12条「法の前の平等」条項に移りました。この条項は、法的権利の保障を規定しており、いってみれば一つのパラダイム・シフト条項とでもいいましょうか。JDFの意見書作成においてもさまざまな意見を交換した想いの錯綜する条項で、後見人制度にも関わってくる大きな問題となる条項です。後見人の存在の承認を前提としたパラグラフの削除をIDCやJDFでは主張していましたが、ファシリテーターグループではパラグラフ2に脚注をつける報告書を作成し、条文の内容は修正議長草案のとおり、セーフガードについての言及をしているパラグラフは残すという形で採択されました。精神医療ユーザー・サバイバーネットワークのティナ・ミンコウィッツさんはブーイングでこの採択に答えていました。この脚注というのは、大陸法の法体系を持つ国にとって、ある人達に対しては行為能力を一定の条件の下で制限を認めるもので、今の後見人制度をそのまま容認できる解釈が可能なものです。JDFとしても脚注についてはいろいろ考えなくてはなりません。

 前文に移りました。ベネズエラが「先住民」への言及を確認したところEUが「聞いていない」といってとりあえず反対しましたが。最終的にはEUが妥協し、前文当該項については採択されました。
 第17条「個人のインテグリティ」。「身体精神知的をふくむ全ての障害者は他のものとの平等を基礎として・・・」という短い柱書きのみの案が提出されました。紛糾しましたが、議長が悲壮な合意形成を呼びかけて採択されました。本来は非自発的な治療に関する条文で、修正議長草案には反発が多かったのですが、結局短く収まりました。

 続いて第23条「家族」と第25条「健康」条項です。これらは、「性と生殖の権利」、「セクシャリティの経験」などの内容を含み、懸案のジェンダー条項の一つでした。アラブとバチカンとアメリカの要求に屈した形で、削除ないし変更を受けて採択されてしまいました。ジェンダー条項でがんばってきたNGOの仲間たちはくやし涙を流していました。
 第1条「目的」条項に移りました。障害の定義に関連して、2条への規定は困難であり、前文と第1条に書き込むことになったのですが、中国が「障害者とは~」の定義の部分で環境要因に言及している部分の削除を当初提案していましたが、それを取りさげ採択されました。

 第2条「定義」条項です。ここもいろいろな論点があるところです。今週初めにお伝えしたとおり、中国が言語の定義を削除すべきだという提案をしていましたが、無事に修正議長草案通りとなりました。問題もあります。「障害に基づく差別」の定義で「直接差別、間接差別」の文言が削除された形で合意されました。これは日本政府のロビーの結果です。間接差別は、欧米においてはほぼ確立された概念といえるでしょう。日本政府が率先して文言削除のロビーイングを行ったということはJDFとしては非常に残念なことです。この結果を、実質的には直接的な差別よりはるかに多いと思われる、そうではないなんらかの不利益な取り扱いや差別の除去へのブレーキとならないようにしなければなりません。日本政府は間接差別も「すべての形態の差別」に含まれるとしていますが、ならば、そのように国内で取り組むべきですね。なんにせよ、日本政府のロビーでほぼ、挿入が決まりかけていた「間接差別」が削除されてしまったのは、なんとなく、すっきりせん。今後、日本の障害団体がしっかりと取り組むべき最重要課題の一つとなりました。

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第8回障害者の権利条約特別委員会(6)

8月25日(金)  
緊迫する最終日1

 いよいよ第8回特別委員会の会期の最終日です。まだ、主要条文で14以上の条文が採択を待っています。また、他にも、「署名」や「批准」などの手続きを定めた最終条項なども含めると20以上の条項を採択しなくてはなりません。昨日、おととい(水曜、木曜)は、会議場全体で行う公式会議の時間はかなり削られ、各国間やファシリテーターグループで個別の交渉、非公式会議が同時並行的にそこら中で行われている、という状況だったのですが、今日、本当に終わるのか・・・。これについて、政府の関係者は悲観的な人が多く、ビーナスDPI世界議長などNGOの関係者は楽観的だったのが面白い。

 その前に、昨日(木曜)のサイドイベントの報告です。JDFは日本政府の国連代表部と共催で、第10会議室にてサイドイベントを開催しました。「条約批准に向けた障害をもつ人の国会審議へのアプローチ」というテーマです。条約ができた後の国内での批准をにらんでこのテーマを設定しました。日本政府からは、外務省の鈴木譽里子政府代表団団長をはじめ、元郵政大臣でJDF顧問の八代英太さん、DPI日本会議副議長で熊本県議会議員の平野みどりがスピーカーで参加。海外からも障害当事者でウガンダの前国会議員で政府代表のジェームス・ムワンダさん、ジャマイカの労務社会保障省大臣のフロイド・モリスさんがスピーカーで出席してくださいました。参加者もたくさん集まり、時間のない中での準備でどうなるかと思いましたが、JDFのみなさんの献身的な協力でなんとか乗り切ったという感じです。

 さて、最終日の様子はどうだったのでしょうか。公式会議が昨日と同じくなかなか開かれません。おいおいって感じです。これは、採択できる条項がなかなかでてきていないということになるので、こちらもあせってきました。会場全体は各国のロビーでばたばただし。各国の政府代表団があちこちで同時並行的に個別に交渉しているのです。どこで何が話されているのか、把握するのはほぼ不可能です。ちなみに、ここでの「採択」とは、特別委員会としての条約「案」の条文を採択するということで、もちろん、条約の条文そのものをここで採択するということではありません。
 12時半にようやく公式会議が開始されました。マッケイ議長が早期の妥結を訴えました。なんか悲壮な感じです。ジャマイカやカメルーンが議長への応援演説!がんがん行ってくれーという感じです。
 議長は、第8条(啓発)は先送りとし、最終条項への採択と議事を進めました。最終条項とは条約の署名などの手続きを定める条項で、全部で10条ほどあります。そして最終条項採択!合意できる条項からはじめて、合意形成の雰囲気を高めるのがマッケイのやり方です。

 さて、次は条約の国際履行体制に関する条項(フォローアップメカニズム)で、34条から40条までを指します。まず34条「障害者の権利に関する委員会」など)から採択に入りました。合意に至っていないパラグラフ11はマッケイ流で先送りされ、この部分を除く条文を採択しました。(パラグラフ11は最終的に採択されました)。ここで、日本に関連した議論としては、新たな条約体設置について、があります。条約体というのはなんでしょうか。現在、国連には7つほどの人権関連の条約があり、その条約の履行条項を監視し審査する「委員会」が作られています。これは、厳密に言うと国連の内部の組織ではないのですが、たとえば、自由権規約には「自由権規約人権委員会」があり、子どもの権利条約には「子どもの権利委員会」というのがあります。これらの委員会のことを「条約体」といっています。この条約体については、「監視・審査内容がほかの条約との重複があり、スリム化すべきだ」などという条約体改革の議論がずっと続けられており、日本政府は、新しい条約体の設置には消極的な立場を取っていました。先週の国内モニタリングの公式会議では、日本政府は、「(条約体設置について)態度を保留する(reserve)」と発言して、ほとんどの国に、日本は条約体設置に反対した、と思わせた前歴?もありますし、いったいどうなるのか、注目していた条項の一つです。JDFなどは、条約のきちんとした履行のためにはやはり新しい条約体をきちんと作るべきだ、という意見でした。日本政府は、最終日のここで、新たな条約体の設置には基本的に慎重な立場をとるが、設置する場合は国連全体の条約体の改革論議に留意すべきであるなどと発言しましたが、条文自体に反対はしませんでした。委員の人数などのいろいろ細かい問題もありましたが、日本政府はこの問題で一定の譲歩をしたのです。賢明な判断に「ほっ」としました。

 続けて第35条から第40条まで採択!次は選択議定書1条。1条から18条の議定書の採択について、議定書は条約と同時に採択されるべきものであるとし、一括採択されました。拍手!ここで午前の会議は終了しました。でも、まだまだあるぞ。やばいかも・・・。

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