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2006年9月12日 (火)

第8回障害者の権利条約特別委員会(6)

8月25日(金)  
緊迫する最終日1

 いよいよ第8回特別委員会の会期の最終日です。まだ、主要条文で14以上の条文が採択を待っています。また、他にも、「署名」や「批准」などの手続きを定めた最終条項なども含めると20以上の条項を採択しなくてはなりません。昨日、おととい(水曜、木曜)は、会議場全体で行う公式会議の時間はかなり削られ、各国間やファシリテーターグループで個別の交渉、非公式会議が同時並行的にそこら中で行われている、という状況だったのですが、今日、本当に終わるのか・・・。これについて、政府の関係者は悲観的な人が多く、ビーナスDPI世界議長などNGOの関係者は楽観的だったのが面白い。

 その前に、昨日(木曜)のサイドイベントの報告です。JDFは日本政府の国連代表部と共催で、第10会議室にてサイドイベントを開催しました。「条約批准に向けた障害をもつ人の国会審議へのアプローチ」というテーマです。条約ができた後の国内での批准をにらんでこのテーマを設定しました。日本政府からは、外務省の鈴木譽里子政府代表団団長をはじめ、元郵政大臣でJDF顧問の八代英太さん、DPI日本会議副議長で熊本県議会議員の平野みどりがスピーカーで参加。海外からも障害当事者でウガンダの前国会議員で政府代表のジェームス・ムワンダさん、ジャマイカの労務社会保障省大臣のフロイド・モリスさんがスピーカーで出席してくださいました。参加者もたくさん集まり、時間のない中での準備でどうなるかと思いましたが、JDFのみなさんの献身的な協力でなんとか乗り切ったという感じです。

 さて、最終日の様子はどうだったのでしょうか。公式会議が昨日と同じくなかなか開かれません。おいおいって感じです。これは、採択できる条項がなかなかでてきていないということになるので、こちらもあせってきました。会場全体は各国のロビーでばたばただし。各国の政府代表団があちこちで同時並行的に個別に交渉しているのです。どこで何が話されているのか、把握するのはほぼ不可能です。ちなみに、ここでの「採択」とは、特別委員会としての条約「案」の条文を採択するということで、もちろん、条約の条文そのものをここで採択するということではありません。
 12時半にようやく公式会議が開始されました。マッケイ議長が早期の妥結を訴えました。なんか悲壮な感じです。ジャマイカやカメルーンが議長への応援演説!がんがん行ってくれーという感じです。
 議長は、第8条(啓発)は先送りとし、最終条項への採択と議事を進めました。最終条項とは条約の署名などの手続きを定める条項で、全部で10条ほどあります。そして最終条項採択!合意できる条項からはじめて、合意形成の雰囲気を高めるのがマッケイのやり方です。

 さて、次は条約の国際履行体制に関する条項(フォローアップメカニズム)で、34条から40条までを指します。まず34条「障害者の権利に関する委員会」など)から採択に入りました。合意に至っていないパラグラフ11はマッケイ流で先送りされ、この部分を除く条文を採択しました。(パラグラフ11は最終的に採択されました)。ここで、日本に関連した議論としては、新たな条約体設置について、があります。条約体というのはなんでしょうか。現在、国連には7つほどの人権関連の条約があり、その条約の履行条項を監視し審査する「委員会」が作られています。これは、厳密に言うと国連の内部の組織ではないのですが、たとえば、自由権規約には「自由権規約人権委員会」があり、子どもの権利条約には「子どもの権利委員会」というのがあります。これらの委員会のことを「条約体」といっています。この条約体については、「監視・審査内容がほかの条約との重複があり、スリム化すべきだ」などという条約体改革の議論がずっと続けられており、日本政府は、新しい条約体の設置には消極的な立場を取っていました。先週の国内モニタリングの公式会議では、日本政府は、「(条約体設置について)態度を保留する(reserve)」と発言して、ほとんどの国に、日本は条約体設置に反対した、と思わせた前歴?もありますし、いったいどうなるのか、注目していた条項の一つです。JDFなどは、条約のきちんとした履行のためにはやはり新しい条約体をきちんと作るべきだ、という意見でした。日本政府は、最終日のここで、新たな条約体の設置には基本的に慎重な立場をとるが、設置する場合は国連全体の条約体の改革論議に留意すべきであるなどと発言しましたが、条文自体に反対はしませんでした。委員の人数などのいろいろ細かい問題もありましたが、日本政府はこの問題で一定の譲歩をしたのです。賢明な判断に「ほっ」としました。

 続けて第35条から第40条まで採択!次は選択議定書1条。1条から18条の議定書の採択について、議定書は条約と同時に採択されるべきものであるとし、一括採択されました。拍手!ここで午前の会議は終了しました。でも、まだまだあるぞ。やばいかも・・・。

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