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2006年8月25日 (金)

第8回障害者の権利条約特別委員会(5)

国連報告(5)
崔 栄繁

さらにすすむ個別の条項の承認!
第3条、第13条、第18条、第20条、第21条

懸案の条項は果たして!?

 月曜の夜、事件が起きました。
 中国が第2条の言語の定義を削除するように求めたのです。
 ここでは、「言語には音声言語、手話ならびに非音声言語を含む」となっていますが、それを削除すべきだというのです。
 理由は、条文内に「言語」という文言がないということですが、代替案も示さずに削除だけを主張するのは、手話を言語と規定してほしいという当事者の長年の思いを無視するものです。
 月曜は夜遅くまで、ろうあ連盟の皆さんと情勢を話し合いました。結局、火曜の審議で中国は提案を引き下げました。

 火曜日の審議は、前日と同じような方法で進められました。「条約成立に向けた前進のために」と、複数の国から相次いで提案についての撤回が行われ、大きな拍手がわきました。第3条(一般的原則)、第13条(司法へのアクセス)、第18条(移動の自由及び国籍)、第20条(個人の移動性)、第21条(表現及び意見の自由と、情報へのアクセス)が議決されるという「エキサイティング」(マッケイ議長)な展開となったのです。
 特に第13条「司法のアクセス」条項は、もとになるものを第2回特別委員会で東顧問のアドバイスを受け、日本政府が提案したものだけに、感慨深いものがあります。
 さて、懸案の第2条(定義)にかんして、前述のように「言語」の定義の削除を要求していた中国が、インフォーマル協議の結果、点字や手話の重要性を認識するとし、提案を削除したと発言しました。また日本は「差別」の定義について、「あらゆる差別」という言葉によってすべてが包含されるとし、「直接差別と間接差別」という言葉を削除することを提案しました。この態度は一貫していますが、国際法的にはすでに確立されていると思われる「間接差別」について、なぜ、ここまで拒否反応を示すのか、ちょっと…。日本でも女性問題については「間接差別」の概念を受け入れているのに…。

 第11条(危険のある状況)、第16条(搾取、暴力及び虐待からの自由)、第23条(家庭および家族の尊重)、第24条(教育)、第26条(ハビリテーション及びリハビリテーション)、第32条(国際協力)については文言についてを含めた新たな提案がなされ、さらに非公式協議がつづけられることになりました。第17条(個人のインテグリティ(不可侵性)の保護)、第25条(健康)については先送り。

 3時をかなり過ぎて再開されたセッションは再開されたが、議長の判断により、非公式協議のために30分の会議の中断が宣言されたりと実際に再開したのは、5時を回ってからでした。

 第28条に関して、メキシコからの提案が合意に達し、清潔な水へのアクセスがパラグラフ1.のAに明記されることになった。他のパラグラフはまだ合意に達していなかったため、引き続き議論されることになった。話し合われる点としては、社会(保護)の括弧を外す点、そしてEUからの懸念である、Bで特定のグループを取り上げることです。

 第7条の子供についての条文において、コンセンサス(合意)が取れたとのことで、この条項は採択されました。

 議長が少しあせり出した感じがします。非公式協議による妥協が模索されている状況です。

060822adhoc

マッケイ議長と交渉する日本政府団長の鈴木さん(外務省)

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国連の障害者権利条約採択のニュースは早速今日の夕刊でも報じられた。 全難聴の国連での活動は http://kokuren2005.269g.net/category/229682.html ラビット 記 [続きを読む]

受信: 2006年8月27日 (日) 11時25分

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