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2006年2月 4日 (土)

東横イン不正改造問題抗議並びに緊急アピール

 DPIでは、これまで交通機関や建物のバリアフリー化を目指して取り組みを進めてきました。全国各地の「福祉のまちづくり条例」や交通バリアフリー法、ハートビル法制定に取り組んできました。
 そうした立場から、この間、報道で明らかになった「東横イン不正改造問題」について、「抗議並びに緊急アピール」をまとめました。
 「謝罪」をしたとしながらも「福祉のまちづくり条例」違反の新店舗が開業される等の事態をふまえて、東横インに対して引き続き真摯な対応を求めていきたいと思います。
 また、今国会で提出予定の交通バリアフリー法改正や各地での「福祉のまちづくり条例改正」や障害者差別禁止条例制定について、この問題の教訓がしっかりと活かされる必要があります。
 全国各地の皆さんが交通バリアフリー法改正へ注目・関心を向けて頂くとともに、当事者によるチェック活動や自治体への提起等を進めて頂ければと思います。

 ちなみに、3月11~12日に、大阪で交通バリアフリー全国集会を開催します。ふるってご参加下さい。

2006年2月3日東横イン不正改造問題に対する抗議並びに緊急アピール

特定非営利活動法人 DPI日本会議議長 三澤 了

【東横イン不正改造の問題点、並びに抗議】
 私たちDPI日本会議は、1986年の結成以降、障害者の人権と自立生活の確立を目指して活動を続けてきています。DPI(障害者インターナショナル)は、
「われら自身の声」を掲げて、障害当事者主体の活動を進めている国際組織として、国連にも認められているNGO組織です。
 私たちは、これまで障害者の移動の権利・社会参加の確立に向けて、交通機関や建築物等のバリアフリー化を求めてきました。全国各地の「福祉のまちづくり条例」や交通バリアフリー法、ハートビル法の制定・改正にも積極的に関わってきました。
 1990年代になって、ようやく、バリアフリーに関する条例や法律が制定されたこと自体、長年の運動の結果なのです。
 この間マスコミで報じられた「不正改造問題」は、私たち障害当事者や関係者のバリアフリー化に向けた長年の努力を踏みにじり、障害者の社会参加の権利を侵害するものとして怒りを禁じ得ず、東横インに対して厳重に抗議するものです。

1.報道が進むたびに不正物件数が増え続けるとともに、その多くで障害者対応の客室やトイレ、駐車場、点字ブロック等、バリアフリー設備関連が不正改造や未整備状態であることが明らかになっています。東横インが意図的・計画的にバリアフリー設備の整備を怠ったことは明らかです。

2.条例や法律で定められているバリアフリー設備は、私たちにとっては不可欠なものです。これらの整備を怠ることは、とりもなおさず、私たち障害者にとっては、利用の制限と社会参加の権利の侵害を意味します。
 ところが、先日の記者会見での西田憲正社長の「身障者用客室は年に1度か、2度しか使わないから、倉庫に使っている」との発言にも示されている通り、障害者の人権について余りにも無自覚であるといわなければなりません。

3.さらに、障害者対応客室は「障害があっても使えるように整備された部屋」であり、高齢者などにとっても使いやすい構造となっています。もちろん、障害のない人も利用できます。一体何を根拠に「年に1度か2度しか使わない」と決めつけているのでしょうか。
 また、「バリアフリー設備については各店舗の支配人では分からない」とされていますが、障害者に対する接客研修や人権研修はどうなっているのでしょうか。
 この間、報じられているだけでも以上のような問題点、疑問が浮き彫りになります。

●私たちは、東横インに対して、心よりの謝罪とともに、不正改造部分の復旧をはじめハートビル法・「福祉のまちづくり条例」に定められたバリアフリーの基準を満たすよう早急な改善を要求します。そして、障害者の人権についての職員研修等の体制を明らかにするとともに、このような事態が生み出された原因の究明と再発防止策について明らかにすることを求めます。

【この問題を教訓化した法改正を-障害者の利用・移動の権利、当事者によるチェックの強化を】
 今国会で交通バリアフリー法の改正が予定されており、ハートビル法が一本化される形で新法案が上程されると伝えられています。また、現在、各自治体で
「福祉のまちづくり条例」改正の検討も進められています。これらの中で、今回の東横インの不正改造問題を教訓化することが、ぜひとも必要であると、私たちは考えます。
 現在の「福祉のまちづくり条例」や交通バリアフリー法・ハートビル法はバリアフリー化に向けた大きなステップですが、いずれも障害者の権利性に乏しいという問題点があります。また、障害当事者によるチェック体制も整備されていません。
 私たちは、これらの法律、条例制定に当たって、利用・移動の権利の明確化、当事者によるチェック体制を提起してきました。
 今回の事態は図らずも、こうした問題点、課題をあらためて明確にしたといえます。
 皮肉にも、障害者団体に西田社長が謝罪に赴いた日に、「福祉のまちづくり条例」違反の新店舗が開業しました。謝罪の真摯さへの強い疑念とともに、障害者の権利を侵害した状態にあっても開業できてしまう現在の法制度にも問題があると言わなければなりません。
 また、今回自治体の検査では「車いす対応駐車場が設置」とされた物件が、障害者がチェックに行くと、「実際には車いすでは乗り降りできない停め方が想定されていた」といった問題点も明らになっています。
 私たちは、今回の事態を「一部の悪質な業者」の問題というレベルに解消することなく、今後の法改正にその教訓が反映され、障害者の利用・移動の権利、当事者によるチェック体制の強化を求めるものです。

 今、国連では障害者権利条約の検討が本格化する中、日本国内においても障害者差別禁止条例や法律制定が重要課題になりつつあります。そうした中、加盟団体をはじめ、全国の仲間に、当事者によるチェック行動や「福祉のまちづくり条例」・バリアフリー関連法改正、そして差別禁止のための法制定に向けた取り組みを共に進めていくことを、あらためて呼びかけます。

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