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2006年1月30日 (月)

国連会議場から(6)

1月27日(金)  DPI事務局 崔

やっと2週目が終わるぞー。あと1週間だー。

ということで、昨日と今日、どんな審議があったのでしょうか?
昨日は27条労働条項の審議がありました。
ここは、各国のみならず、ILO(世界労働機構)などの国際機関やJDFなどもはじのNGOの関心の高いところです。

論点を何点か挙げてみましょう。
アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)と障害者法定雇用率制度も議論のひとつです。

議長草案では、雇用割当制度という言葉がなくなりました。雇用割当制度というのは日本の制度では法定雇用率制度がありますね。いくつかの国から雇用割当制度は障害者の雇用率を引き上げるのにあまり効果が無い、といった主張をしています。日本政府は雇用割当制度の明記を主張しました。しかし、雇用割当制度の明記という方向には行かず、アファーマティブ・アクションという文言を書き込む方向で進むようです。アファーマティブ・アクションとは、簡単に言えば、差別的扱いを受けてきた集団に対し、一定の期間を決めて差別をなくすための特別な措置をとるということです。

雇用割当制度はそれなりに重要な役割をしていると思いますが、条約のようなものに書き込むことはちょっと慎重であるべきでしょう。障害者に別個の基準を設けるものを世界の国々のルールとして書き込むことは、問題を将来的に引き起こす可能性がありますよね。
また、雇用の分野での合理的配慮についてはあまり議論がされませんでした。

もうひとつは、代替雇用制度についてです。一般の雇用市場に対して、障害者の特別の雇用の体系をどのように扱うか、という問題です。シェルタード・ワークショップ(sheltered workshop)という言葉を使って議論され
ていますが、この言葉にぴったりくる日本語がありません。障害者を集めた労働の場という感じで使っているので、福祉工場も作業所も含まれるかもしれません。とにかく、オープンな労働市場=一般の労働市場に対比して使われています。

この代替の雇用制度を条約に書き込むかでいろいろな議論があります。賛成の意見としては、一般の労働市場に移行する過程の制度として書き込むべきだというものがありました。また、今、そうした環境にいる障害者に労働の権利を認めるためにもきちんと書き込むべきだという意見があります。それらに対して反対意見としては、代替の雇用市場を条約で明記してしまうと結局一般の労働市場から障害者が排除されてしまう、という意見です。開かれた労働市場の中で支援を受けた労働の権利が認められるべきだという意見です。現実を見つつも理念は提示すべき難しい問題です。

あと、マッケイ議長が今日の朝、今後の条約交渉についてNGOをミーティングを持ちました。マッケイ議長は二つの案を提示しました。一つめは、今年と来年で第2読・第3読を進めていくやりかた、二つめは、8月に予定されている次の特別委員会では、重要な争点だけを集中的に議論して、起草作業に入る、というものです。つまり、来年かさ来年までかけて条約を作るのか、今年中にもうまとめてしまおうか、という話です。IDCなどのメンバーが二つめの意見に賛成したのは言うまでもありません。この流れで行くと、次の第8回特別委員会が最後の委員会になる可能性が大・・・。


写真は昼のサイドイベントの様子。国内人権委員会の主催です。壇上にはジェラルド・クィン教授が見えます。
ではまた。最後の週、がんばらんと。ね、キムさん!
(第3週からはDPI障害者権利擁護センター所長の金もNY入りします)

AdHoc060127

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